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▲ 祭壇で祈る男性たち(木下清蔵写真より)

先日、新しく着工するTさま邸の地鎮祭がありました。

そこで今回は、アイヌ民族の地鎮祭について紹介していこうと思います。

 

新築工事に入る前、その土地の神様に対して行う地鎮祭ですが、アイヌ文化においても、同様の儀式が行われています。

アイヌ語で、「家」は「チセ」と言います。アイヌ文化では、セチを建造するに当たり、チセコッエノミ(地鎮祭)を執り行います。

どんな時も神と共に暮らすアイヌ民族の生活習慣の中で行われるチセコッエノミは供養祭の意味合いが強いです。

そして、チセコッエノミを執り行ってから一週間のうちに参列者が、土砂崩れや洪水、火災に遭う夢を見た場合はその地での建築を諦め、別の場所でまたチセコッエノミを執り行わなければならないという、厳しいルールがあります。

 

アイヌ文化には、チセにかかわる儀礼が他にもあります。

老人、特に老女が死んだ際に、遺体を土葬したのち、故人の持ち物を家ごと炊き上げるという儀式です。これをエイセウフイカ(家焼き)、カシオマンテ(小屋送り)と言います。

「女一人では、あの世で家を建てられないから」との考えで、あの世で暮らす家も一緒に送ってあげるというやさしい気持ちが込められています。

この家焼きの儀式は火災の危険を案じた明治政府によって何度も禁止令が出されましたが、家の模型とともに故人の遺体を焼いたり、解体した家の残骸を安全な場所に運んで炊き上げることは、明治初期になっても行われていたそうです。